cocotte
BORDER!2021
普段の作品について
cocotteというグループで出展していただくのですが、お二人は普段からグループで活動されているんですか?
高 梨 今回BORDER!に出展するにあたって結成したんです。普段はそれぞれで活動しています。
結成のきっかけってなんですか?
高 梨 もともと同じ大学、同じ学科なんですよ。それで仲良くなって、お互い優しい雰囲気のイラストを描くので今回一緒に出そうよっていう話になりました。
すごく可愛らしくて温かみのあるイラストですね。それぞれの作品のコンセプトやモチーフ選びについて教えてください。
しろやま 私は子供をよくモチーフにして描いています。きっかけは、大学に入った時に大人になったなぁとか子供の頃がすごい懐かしく羨ましく感じることが増えてきて、子供の時の頭の柔らかさや感性の柔軟さを忘れたくないなという想いがあって子供を描くようになりました。
高梨 私はもう純粋にかわいいものが好きなんです、特に何も考えずに描いてるのが正直なところなんですけど、でもその中でも一番自分自身がよくテーマにするのはちっちゃい女の子とか日常の中に紛れたこびとさんや妖精さんですね。もし自分自身がこんなちっちゃいサイズだったら日常生活どんなふうに送ってるんやろうとか、生活空間の中にいろんな物があるけど、どうよけて歩いてるんやろうとか、そういうのを想像しながら、絵本チックに何か物語を感じられるような、そういったイラストをよく描いています。
お二人の絵の中の景色はストーリーの一角を切り取ったようで想像を膨らましながらみてました。この作品はこうかなって感じられるのがいいですね。
高梨 それぞれ見た人が自由に解釈してほしいなって思います。この子は何かこう考えてるんかなとか自由に考えてほしいなっていつも考えながら描いていますね。
しろやまさんの作品の子供達は表情がすごく多彩でみんな個性があって面白いなって思いますし、スケッチブックの写真もあって普段から外で様々なものを見て感じてらっしゃるのかなって思ったんですけど、意識して普段からされてるんですか?
しろやま そうですね。なんかもう趣味の一つというか、美術館や展覧会行ったりもするので自然と様々なものを目にとめているんだと思います。企画展だけじゃなくて街のお店歩いてるだけとか、あと本屋さんとかめっちゃ行ってそこからインスピレーションや感じたことが無意識に作品に反映されてるのかもしれないですね。
高梨さんの最近の作品はテキスタイル的なものとかラベルデザインみたいなものとかもあって、イラスト以外にもデザイン系の作品作りもお好きなんですか?
高梨 私自身イラストの他にも結構デザインの方にも力を入れていて、イラストを例えばパッケージデザインに落とし込んだりとか、そういったことも結構してます。模様もそうですね、服の模様だったりとか生地の模様だったり展覧会でそういったテキスタイルの展示があるのを見て、自分もちょっとやってみたいと思ってよく描いてます。
広いジャンルでチャレンジしててすごいですね。
高梨 ありがとうございます!試してみたいなっていう意欲が昔からあって色々とやってみたりしてます。
出展作品について
今回の出展では、イラストからグッズを制作してそれを販売されるとお伺いしてるんですけど、グッズ化される作品達にはこういう作品を集めようとか、コンセプトやテーマのようなものはありますか?
しろやま グループとして出展するのでテーマというか、絵本チックで相手に物語を想像してもらえるようなメルヘンな作品というのを自軸にして、過去作よりも新しい作品を作っています。
イベントで新作が見られるんですね!とても楽しみです。
しろやま ありがとうございます。ちょっとまだお店ができてないので、グッズ制作もこれから頑張ります。
高梨 ポストカードとか紙物のグッズを中心に作ろうかなと思ってます。
ポストカードだとすぐに手軽に家に飾れるし、人に送ったりもできるしいいですね。
高梨 本当にそう思います!壁にたくさん飾るのいいですよ。
普段から自分の作品でグッズ制作ってよくされるんですか?
しろやま あるよね。
高梨 数はちょっと少ないですけど、ポストカードとかシールやったりしました。
しろやま 販売した経験もありますね。二人とも。
高梨 関西コミティアっていうイベントがあるんですけど、それに二年前ぐらいに出しました。その時もイラストをイベントまでに描いてグッズにして売ってました。
いいですね。しろやまさんはアナログ画材を主に使われてるんですね。
しろやま 私は初めにアクリル絵の具をひいてから水彩絵の具を重ねて描いています。
モチーフの優しさと絵の具のにじみや線の柔らかさの雰囲気がすごくマッチしてて、生原画とかも、展示できたら素晴らしいなと思います。
しろやま 絵を見せたいっていう気持ちはいっぱいあるんですけど、やっぱ手に取るハードルがちょっと高くなっちゃったりとかいろいろあると思うのでどうでしょう。
高梨 でもやってみたさはあるから挑戦してもいいかもね。
高梨さんはデジタル作品が結構多い印象ですけど、最近のは鉛筆っていう感じですね。
高梨 そうですね。中学の頃からずっとデジタルでイラストを描いてたんですけれども、大学に入ってから、アナログならではの例えば鉛筆の芯が紙に掠れていくざらっとした質感であったりとかが温かみが増すなってすごい感じています。なので最近一番使ってるのは鉛筆、本当に鉛筆だけの濃淡で表すことが増えてきましたね。
最近のテキスタイル柄も全部鉛筆ですよね。ぱっと見た感じは白と黒の二色のコントラストだけなんですけど、鉛筆の方ザラザラ感や均一に塗りつぶされない感じがいい味出してると思います。
高梨 嬉しい〜!本当にそこがポイントで、綺麗に塗りつぶすよりちょっと塗りむらを出すことでアナログ感とか温かみが増すと思ってます。
こういう柄で、日常使いできるアイテムになってたら多分めっちゃかわいいなって思います。
高梨 今回の出展では眼鏡拭きを出そうかなと考えてます。私自身前も眼鏡拭き作ったことあって、その時も絵柄をこんな感じで作ったんですけどそれがすごく好評だったので、今回もそういうテキスタイルの模様のグッズを作ろうかな思ってます。
すごくいいですね!
高梨 ありがとうございます。実は自分が使いたいんですよ(笑)
お二人とも温かみというキーワードがあって、モチーフはちょっと違ったり重なったりするところもありグループとしてまとまった雰囲気に仕上がってますね。当日拝見するのが楽しみです。
高梨 私たちも楽しみです。グループ出展だから、何かコラボ作品とかもできたらいいなとは考えてるんです。
しろやま せっかくやもんね。
高梨 アイコンはコラボ作品は一応コラボ作品です。WEBに掲載してもらってるプロフィール画像で赤い色のココット鍋の中に私達のキャラクターたちが二人一緒に入ってるやつなんですけど、これが初めての合作でそういったこともしたいなって思ってるんです。
こびとみたいでめっちゃかわいいです。
しろやま かわいいですよね。
物語性のあるイラストって実際に絵本にされたりはしますか?文章をつけたり絵だけの一連の本にしてみたりとか、してみたいなって思うことはありますか?
しろやま 私は一回授業で文章も込みで絶対作らないといけないっていうのがあって、こだわってハードカバーや帯もつけて結構ぶ厚めの絵本を作ったことがあります。製本するのが好きでこうやって一回体験もしたので、ぜひ新しいものをもう一回作りたいっていう気持ちはあります。
高梨 でも絵本制作は文章とかストーリー構成とか絵だけじゃない要素が入ってくるので大変でしんどい部分も多いです。私は一回だけ絵本を作るのに携わったことがあって、中学校二年生の時に美術部に入っててちょうど声がかかりました。そのときにイラストで伝える難しさだったり、どんな場面か伝わったときの喜びというのはすごい感じた出来事だったなって思ってます。絵本作家さんのもとについてチームで制作したので意見を出し合いながら必死にみんなで制作したなって今思い出しました。
そういったお二人それぞれの経験を生かして合作で絵本作るっていうのもありですよね。
しろやま あぁ〜!そっか!
高梨 ありだね!確かに二人だと心強いしストーリーも考えて作れそう。
しろやま せっかくのグループテーマも物語をメインにやってるので、何か作ってみたいよね。
夢がひろがりますね!
ではそろそろお時間なので、インタビューを終了させていただきます。お二人ともありがとうございました!
一同 ありがとうございました!
- 聞き手
- 小寺 ことみ(BORDER!2021 イベントディレクター)
- 編集
- 大城 咲和(SHAKE ART!ライター)